SOUNDPEATS Mini Proレビュー/本気で粗探したけど欠点ほぼなし!【ノイキャンイヤホン】
普段、ANC機能搭載のイヤレスイヤホンを愛用してますが、今回は5,000円台で買える音質が優秀なイヤホン「SOUND Peats Mini Pro(サウンドピーツ・ミニ・プロ)」をレビューします。
通勤、通学はもちろんのこと、勉強や集中したい時に、便利なのがANC(ノイズキャンセリング)機能です。
近年、中華オーディオメーカーが切磋琢磨しワイヤレスイヤホンの高音質化、小型化、ノイキャン性能などを日々追求してます。
しかしながらマーケティングの兼ね合いもあり、万人ウケする「ドンシャリ系サウンド」のイヤホンが巷に溢れかえっているのが現状ではないでしょうか?
今回紹介する「SOUNDPeats Mini Pro」は、ありふれた中華ワイヤレスイヤホンに一石を投じる製品。
高級感、装着感、音質など全てにおいてこだわって作られてます。
こんな感じの音質でした
- 低音
- 中音
- 高音
- 解像度
- 音の分離
- 音場
- キレ
- ANC(アクティブノイズキャンセリング)
- 装着感
- 操作性
結論から書くとソニー製イヤホンみたいな音がするバランスの良い構成です。
SOUND Peats Mini Proはこんな製品です!
- Bluetooth コーデック:aptX-Adaptive、AAC、SBC
- Bluetoothプロフィール:HSP、HFP、A2DP、AVRCP
- ノイズキャン:ハイブリッド式ANCノイズキャンセリング
- ノイズキャン(通話):cVc 8.0ノイズリダクション
- イヤホン+充電ケース充電の質量:37.5g
- 充電口:Type-C(高速充電にも対応)
- 防水性能:IPX5(日常使用レベル防水、水没不可)
- 動作時間:イヤホン単体約7時間。ケースと併用約21時間
最大35dBのノイキャンを搭載
イヤホンは、3種類の視聴モードを選べます。
通常モード(Normal mode) → ANCモード(ANC On) → 外音取り込みモード(Pass through)
外部のノイズを逆位相の波形でキャンセルして消音し、最大35dBのノイズ低減ができます。
コロナが明けつつあり今後、飛行機で海外や遠出をする機会が増えてくると思います。
機内でノイキャンを使うと疲労感が軽減されて快適に空の旅を楽しむことができますよ!
とにかく美しくて高級感がある
タップで拡大できます
カラーはホワイトとブラックの2種類があります。
私は、ホワイトを選びましたが充電ケースは手に吸い付くような手触りと握りやすいデザインとなっております。
一方でイヤホンは、これまでありそうでなかった特殊な見た目です。
耳の奥までイヤーチップが入り耳にフィットするほか、音楽を再生せず装着するだけでも遮音性が高く小さい音量でも音楽を楽しむことができます。
バイオセルロース製の振動板採用
ソニーのワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」のパッケージに再生紙やサトウキビのような天然由来の素材が使用されたことが話題になりましたが、SOUNDPEATS MIni Proの振動板には、植物由来の「バイオセルロース」が用いられてます。
バイオセルロースを使用することで音質にナチュラルで透明感を与えることに成功したんだとか。
また、10mmダイナミックドライバーを搭載し、明るく分離性に優れた繊細な音を楽しめます。
aptX Adaptive対応・・・でもiPhoneでは使えない
SOUNDPEATS Mini Proのチップセットにはクアルコム社の「QCC3040」を搭載。
これによりコーデックに「aptX Adaptive」を選択できるようになりました。
aptX Adaptiveの特徴は、「音源を遅延なく再生」でき、「原音忠実性が高い」というメリットがあります。
ちなみにaptXには今まで3種類ありましたが、本機に採用されたaptX Adaptiveは、これらの最上位互換と言っても過言ではない新しい規格です。
- aptX・・・音質はCD相当。
- aptX HD・・・音質はハイレゾ相当。
- aptX LL・・・APTXより遅延が少ない。
いっぽう、aptX Adaptが全てのスマホに使えるかというと、それは「No」です。
「aptX Adaptive」を使用するにはこのコーデックに対応したスマホを使わなければならず、SBCかAACにしか対応していないiPhone(iPad)ではaptX Adaptiveを体験することができません。
ちなみにLDACやaptX Adaptiveを使えるスマホはAndroidに多く、私の場合はサブスマホのXiaomi 11T ProでaptX Adaptiveを楽しんでます。
iPhoneユーザーがaptX Adaptiveを体験したい場合、別途、aptX Adaptive対応のBluetoothトランスミッターを用意すれば使うことができます。
開封と細部をチェック
開封
こちらが製品パッケージですが、すでに箱から高級感から漂ってます。
写真だと分かりにくいですがSOUNDPEATSのロゴ(少女の後ろ)がホログラム処理されていて煌びやかです。
箱を開けると生まれたての卵のようなケースが現れます。
それとApple製品に付属してそうな紙包装(上部)が入っていて丁寧にパッケージングされている印象です。
紙包装のなかには、交換用のイヤーチップが封入されてました。
そのほか充電用のType-Cケーブルと取扱説明書(日本語あり)が同梱されてます。
外観
充電ケースの表面は、まるで陶磁器のようにスムースで繊細な表面処理がされてました。
傷や汚れに弱そうなのでケースがあるといいかもしれません。
冒頭でも述べましたがワイヤレス充電機能がないのが唯一惜しい点です。
まあ6,600円なら仕方ない!
こちらがイヤホン本体です。
耳栓を抜いて固めたような形状だけあり、耳の奥まですっぽりと入りました。
屋外に軽く運動しに出掛けてみましたがズレ落ちることがなく非常に快適です。
AirPods Proも実は持ってますが、装着感に関してはSOUNDPEATS MIni Proの方が遥かに上です!
AirPods Proとの大きさ比較
SOUNDPEATS MIni ProはAirPods Proを意識してデザインされた感じがとても伝わってきました。
上下左右の角を大きくラウンドエッジにすることで見た目をAirPods Proに近づけてます。
SOUNDPEATS MIni Proの方が若干厚みがありました。
手が小さい女性でも十分に手で握りしめることができる厚さです。
SOUND Peats Mini Proの操作方法
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | 2タップ | 2タップ |
曲送り | ― | 1.5秒長押し |
音量アップ | ― | 1タップ |
音量ダウン | 1タップ | ― |
ANC →外音取り込み → OFF | 1.5秒長押し | ― |
ゲームモード(低遅延モード) | 3タップ | ― |
音声アシスタント (Siri/Googleアシスタント対応) |
― | 3タップ |
ペアリングモード | 6秒長押し | 6秒長押し |
受話 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話拒否 | 着信中に1.5秒長押し | 着信中に1.5秒長押し |
通話終了 | 通話中に2タップ | 通話中に2タップ |
片方しか音が出なくなってしまった場合の対処方法
SOUNDPEATS MIni Proを1週間くらい使っていたら、突如右側のイヤホンから音が出なくなってしまうことがありました。
バッテリー切れやペアリング不良を心配しましたが取扱説明書を読んだところイヤホンをリセットすることで解決することがわかりました。
リセットすることで解決します。
充電ケースに入れて側面を同時に10秒間押し続けます。
LEDインジゲーターが白赤と交互に2回点滅したらリセット完了です。
ゲームモードが密かに秀逸
AirPodsや中華メーカーのワイヤレスイヤホンをいろいろ試してきましたが、音量調整までできるワイヤレスイヤホンは非常に希少。
このほかSOUND Peats Mini Proには「ゲームモード(低遅延モード)」に切り替えることができるのがセールスポイントです。
最近のスマホは原神やApex Legendsなどコンシュマーゲーム顔負けのクオリティのゲームがたくさんありますよね。
いい音という条件は当たり前ですが、音の遅延による勝敗は致命的になるので、せっかくなら低遅延のイヤホンを選びたいですね。
このほかゲームモードは動画視聴にも優れていて、腹話術士のいっこく堂みたく「口と音がずれる」なんてことは杞憂となります。
SOUNDPEATSってどこの国の会社?
SOUNDPEATS MIni Proを販売している「SOUNDPEATS」は2011年に中国の深センで創業しました。
SOUNDPEATSはブランド名で「深圳市音科资讯科技有限公司」という会社が運営してます。
ユニクロとファーストリテイリングみたいな関係です。
SOUNDPEATSは、完全ワイヤレスイヤホンの開発に強みを持ち、米国、欧州、アジアをはじめ世界各国のインターネット通販でヒットモデルを量産中。
中国の会社と聞くとサポート体制や評判が気になるかもしれませんが、日本市場を見据えて「SOUNDPEATS Japan」を設立しており、配送、返品、保証などしっかりとした体制が整ってます。
また、その年の優秀なAV製品に送られる「VGPアワード」にもノミネートされた実績があります。
- VGP2021では「TrueAir2」がECコスパ大賞および部門金賞受賞
- VGP2021 SUMMERでは「Sonic Pro」がコスパ大賞および部門金賞受賞
など「音質」と「コストパフォーマンス」を両立したワイヤレスイヤホンをこれからも開発してくれること間違いありません。
音質と使用感について
SOUNDPEATS MIni Proの音質をチェックするために今回使用した音源は、TWICEの「The Feel」です。
ボ〜ヤ ボ〜ヤ ボ〜ヤ ノウ♪って聞こえる〜♫
ダンサブルなEDMな曲ですがSOUNDPEATS MIni Proの持ち味の透明感でキレのあるサウンドで聞いててメッチャ気持ちいです。
こういうグループものの曲は安いダメなイヤホンで聞くと音の「粒立ち」が悪くいろんな音がゴチャ混ぜになって聞こえてしまいます。
SOUNDPEATS MIni Proは解像度が高く、音場が広いため各パート(チャンネル)の音がそれぞれ独立してちゃんと聞こえます。
ハンドクラップの音が左右分離して聞こえたり、バックコーラスも位置感がよくわかりました。
また、5,000円台の中華イヤホンは若年層むけに低音を強調させて無理やりグルーブ感を作ろうとしているものが多いなか本機にはそれがなくナチュラルな表現が素晴らしいと感じました。
また、いつも自分の中で判断基準にしているハイハットとシンバルの音色ですが潰れることなく丁寧に表現できていると感じました。
(ただし、クラッシュシンバルは、使っているシンバルの種類によってつぶれて聞こえる音域があります)
私が持っているイヤホンの中でソニーのWF-1000XM4と音質が近いですが、正直なところSOUNDPEATS MIni Proの方が個人的には好みの音です。
- シンプルながらも煌びやかでキレのある音
- 全体的にフラット 高音も低音も変に主張してこなく聴き疲れしない
- 解像度が高く透明感のあるサウンド
フィット感
フィット感は抜群。
個人的にはAirPods Proを超える装着感です。
ANC性能
AirPods Proとの比較になってしましますが、ノイズキャンセリング機能に関してはAirPods ProやAnkerSoundcore Liberty 3 Proの方が強い気がします。
ガチで音楽を楽しみたい場合はノイキャンを切ることでさらに高音質で聴けます。
操作性
ボリュームコントロールができる珍しい機種です。
操作を覚えるまでが少し大変ですが慣れれば使いやすいと思います。
タップできる面積が小さいのでミスタップをたまにしてしまいがちなのが注意点です。
ちょっと惜しい点
- ワイヤレスチャージができない
- 装着センサーがついてない
- iPhone/iPadではコーデックの関係でSOUNDPEATS MIni Proの良さを最大限に堪能できない
6,000円クラスのワイヤレスイヤホンにここまで求めるのは少し酷ですが上の2点がついていれば文句なしです。
装着センサーはAirPodsをはじめ多くのワイヤレスイヤホンに最近ついている機能です。
買い物の会計中や人から話しかけられた時にワイヤレスイヤホンを外す場面がありますが、外した時に音楽がそのまま流れ続けてしまうんです。
この辺は割り切って買うようにしましょう。
まとめ
- 低音
- 中音
- 高音
- 解像度
- 音の分離
- 音場
- キレ
- ANC(アクティブノイズキャンセリング)
- 装着感
- 操作性
総評としてはお世辞抜きにかなりいいイヤホンだと感じました。
本音をいうとミドルの音域に若干の不足感を感じましたが全体的にどの音域もまんべんなく鳴らしてくれ非常に気持ちいです。
特にこの曲と相性がいい!たったの6,000円台でこれほどのクオリティの製品が出せるなんて恐ろしい時代になりました。
私からの要望としては、安くなくていいのでSOUNDPEATSさんに20,000円〜30,000円台のガチなイヤホンを開発してほしいと感じました。
6,000円台でこのクオリティなのでメインのイヤホンの他にサブとして買ってみてはいかがでしょうか?