ハイブリッド5ドライバーについて 〜BAドライバー編(2)〜

前回、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを2基搭載した理由について説明しましたが、今回は2基それぞれの役割と目的についてお話しましょう。比較的オーソドックスなアプローチかとは思いますが、奇をてらわず音を追求した結果ここにたどり着いた、と理解していただけると幸いです。

Aura Nebulaのハイブリッド5ドライバー構成において、2基のBAユニットは「中域」および「中高域」をそれぞれ専任で担当しています。他のドライバーとの関係でいえば、φ10mmダイナミックドライバーの低域と平面磁界型ドライバーの超高域をつなぐ、サウンド全体における中核的な存在ということになるでしょうか。

「中域」を担うBAユニットは、1.5kHz〜5kHzというオーディオリスニングのまさにコア帯域を担当し、ボーカルや楽器の基音をカバーします。具体的には、(主旋律の)ボーカル、バイオリンの2〜3弦、ピアノの中音域を想定し、クロスオーバーを設定しました。この帯域は音像定位やボーカルの質感を決定づける重要な領域であり、BAユニットの高い過渡応答特性を生かすことで、ボーカルの繊細さや口元の定位感を忠実に再現し、弦楽器・打楽器の音の輪郭が明瞭に浮かび上がるよう描写することが狙いです。

「中高域」を担うBAユニットは、5kHz〜12kHzという中高域の拡張帯域(と私たちは呼んでいます)を担うべく配置しました。楽器の音でいえば、基音ではなく倍音、具体的にはギターのハーモニクスやシンバルのエッジ音、女性ボーカルの高音域ですね。平面磁界型ドライバーの感度が高い主要帯域(4kHz〜5kHz付近)を避けることも重要なポイントで、帯域の重複による干渉を防ぎつつ超広域へとスムーズにつながるよう配慮しています。

このような情報を耳にすると、平面磁界型ドライバーが気になりませんか? 次回は、どのような狙いでAura Nebulaに平面磁界型ドライバーを採用したのか、どのような効果を期待したのかについてお話したいと思います。

注:バナー画像はNASA提供のパブリックドメイン画像です(Omega Nebula, Public Domain Image courtesy of NASA)

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