シームレスを超えた「モノコック」サウンド
こんにちは、Kenです。第4回、第5回と2回にわたりマルチドライバー設計の要諦・勘所についてお話してきましたが、今回はその設計を活かすための新技術についてお話したいと思います。
マルチドライバーは、素性の異なるドライバーの特性を活かし1つのサウンドに仕上げるところに真骨頂があります。喩えて言うなら「混声合唱」でしょうか? 女声パートには高域担当の「ソプラノ」と低域担当の「アルト」、男声パートにも高域担当の「テナー」と低域担当の「バス」があり、それぞれの個性を潰さず1つの歌にまとめあげます。その広い音域は、独唱ではなかなか実現できないものです。
しかし、イヤホンではそれぞれの声が個性的過ぎてはいけません。あくまで再生機器ですから、原音に忠実でなければならず、ドライバーごとの音傾向にバラつきがあるようでは本質を見失ってしまいます。合唱なのに独唱であるかのような統一感のあるサウンドを目指さなければならないのです。
そのためにAura Nebulaで導入した新技術が「デュアルリンク・チューニング」。弊社音響エンジニアチームとソフトウェアチームが密接に連携、ハードウェアクロスオーバーとデジタルDSPの技術を融合させることにより生み出されたアルゴリズムです。200種類以上の周波数カーブ最適化と綿密な定性評価/主観評価を繰り返すことで、「あたかもシングルドライバーで鳴っているかのような一体感のあるサウンド」をハイブリッド5ドライバーで実現しました。
マルチドライバー搭載イヤホンでは、ドライバー間のクロスオーバー設計の巧みさを表現するときに「シームレス」という言葉が使われますが、Aura Nebulaではシーム(継ぎ目)すら存在しないモノコック(一体成形)なサウンドを目指しているのです。

注:バナー画像はNASA提供のパブリックドメイン画像です(Soul Nebula, Public Domain Image courtesy of NASA)








